マジックの演出とシナリオ2008年03月11日 11時26分36秒

 正直演出は苦手である。私の一番好きな Daryl (ダリルまたはダロー)のDVDを見ていても、よくもまああんなにハイな感じでやれるものだと思ってしまう。あれだけ盛り上げられれば、客の方もそれは楽しいだろう。

 まあ、文化も違うのでそういうのを真似する必要はないとしても、また諸外国の先人たちが考えた、マジックをやる際の台詞やストーリーをなぞる必要はないとしても、自分なりの演出手法はないものか、模索中である。秀逸な演出は、場を盛り上げるだけでなく、手品の手順に合理性を与え、その結果不可思議さを更に増す効果をもたらしてくれるはずだ。

 せめてストーリーで楽しくしたい。例えば有名な、ダイ・バーノンの「ツイスティング・ジ・エーセス」。4枚のA(エース)のみを使う手品で、1枚ずつひっくり返っていくというもの(こう書くとなんとも味気ない)。これに対する反応は、人によってかなり違うのではないか。どうも、この手品を見せられても、心の中で、「あっ、そう。で?」と思っているだけの人が多いのではないか、そんな風に考えてしまう。秀逸な手品とされているのに、一般の人には印象が薄いのである。何か面白い演出はないか、思い付いたらお知らせしたい。

 そういえば「サーカス・ファミリー」とか、サーカス一家を舞台にしたストーリー仕立ての手品なんかがあるが、若い世代には「サーカスって何?」と言われそうだ。たとえサーカスは知っていたとしても、それを家族でやっているという設定にはついていけないかもしれない。過去の名作を引き継いでいくのも大事だが、時代に合ったシナリオも必要なのかもしれない。

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